生態系では、今もなお、現在進行形で命が点滅しています。
目覚めては、だから、眠りにつく。
いったい、今日、いくつの個が発生して、また、死亡したのでしょうか。
こんなにも果てしなく小っちゃな私では、想像することすら許されません。
「エコランプ。」
とあるひとつの灯火が、なにがしかの思想をもって、灯るとき、
間髪を入れないで、一致したなにがしかの活動が、始まります。
だとすれば、存在の証明は、その先の結果にあるのか、あるいは、それよりも前、
衝動か、人知でははかりしれない、遺伝子情報の中にか、または、中枢の中の中枢にか。
「君がいた。」、とはっきり言えなければ、
もはや生は、成り立ちません。
ぼくは、どうせ、食べ飽きたビュッフェ形式のテーブルを囲んで、
最後の晩餐を迎えるくらいなら、
メニューひとつひとつの、おおざっぱな説明書きを、うまく書き換えておけるように、
生態系の真実を経験してみようと思います。
そのためには、まず、今まさに置かれた手料理を、どうにかしなければなりません。
でも、あいにく、今のぼくには、
テーブルクロスだけをひきぬける隠し芸も、
料理を手早くさげてくれる、給仕を雇う甲斐性も、もちあわせていないわけで、
だから、いっそ、このテーブルごと、いや、ダイニングの床ごと、
いや、地球にかぶさったコンクリートごと、ひっくり返さなければなりません。
でも、そんなことをしたら、たぶん君は、すごい剣幕で、
ぼくを非難しにやってくるにちがいないだろうから、
あらかじめ、言っておくことにします。
「ごめんね。こうにしかならないの。」
芽は、もう、ぼくをつき破ることしか、知りません。
エコランプ*ビュッフェ